面接の終盤で「希望年収はどのくらいですか」と聞かれた瞬間、とっさに低めの金額を口にしてしまう方は少なくありません。私がこれまで支援してきた方の中にも、「強気に見られたくない」という理由だけで、相場より2〜3割低い金額を答えてしまうケースが何度もありました。
ですが、面接で下げて答えても得をすることはほとんどありません。その場で答えた金額がそのまま内定時のオファー額の基準になってしまい、入社後に「もっと高く言っておけばよかった」と後悔する人を、私は何人も見てきました。今回は、年収を聞かれたときに損をしない答え方と、金額以外に添えるべき一言を、これまでの経験からお伝えします。
この記事で分かること
- 「希望年収は?」に対して、金額を一点で答えないほうがいい理由
- 企業側にも交渉の余地が伝わる、幅を持たせた答え方
- 金額だけにこだわっていないと伝わる一言の添え方
- 即答で失敗しないための事前準備
なぜ「低め」に即答すると交渉で損をするのか
面接での年収質問への反応は、大きく分けて三つあります。相場より低い金額を即答してしまうパターン、逆に高すぎる金額を出して選考から外れてしまうパターン、そして根拠のない曖昧な返答で評価を下げてしまうパターンです。
一番多いのは「低め即答」で、私の肌感覚では、面接で年収を聞かれた人の半数近くが、本来の希望より控えめな数字を答えてしまっている印象があります。理由を尋ねると、「強気に見られたら選考に響くのでは」という不安がほとんどです。
しかし面接官の立場からすると、応募者が自ら低い金額を提示してくれれば、それより高いオファーを出す理由がありません。低めに即答した金額が、そのまま内定時のオファー基準になるというのが、私が現場で見てきた実感です。
「幅を持たせて答える」具体的な伝え方
私が支援先の方に必ずお伝えしているのが、金額を一点で答えるのではなく、幅を持たせて答える方法です。「現年収と、これまでの経験を踏まえて〇〇万円〜〇〇万円を希望しています」というように伝えると、企業側にも交渉の余地が伝わりやすくなります。
下限は現年収を大きく下回らない金額、上限は同職種・同年次の相場観の上限に近い金額を置くのが基本です。この幅の置き方次第で、最終的なオファー額が数十万円単位で変わることも珍しくありません。
一点だけ注意したいのは、幅が広すぎると「相場を分かっていない人」という印象を与えてしまうことです。幅は現実的な相場観の範囲に収めることが、この伝え方を機能させる前提になります。
金額だけにこだわっていないと伝える一言
金額の幅を伝えた後に、「金額よりも、どんな役割を任せていただけるかを重視しています」という一言を添えるのも効果的です。年収だけにこだわっている印象を避けつつ、きちんと希望額を伝えることができます。
この一言があるかないかで、面接官の受け取り方は大きく変わります。金額だけを主張する候補者よりも、役割や裁量への関心を併せて示す候補者のほうが、その後の条件交渉でも柔軟に対応してもらいやすい、というのが私の実感です。
注意点: この一言は「年収はどうでもいい」という意味に受け取られないよう気をつけてください。あくまで希望額はきちんと伝えた上で添える一言です。
即答で失敗しないための事前準備
一番避けたいのは、根拠のない即答です。事前に同職種・同年次の相場感を調べておき、自分の言葉で説明できる状態にしておくことが、面接での年収質問を乗り切る一番の準備になります。
- 求人票や転職サイトで、同職種・同年次の年収レンジを事前に確認する
- 現年収と希望額の差分について、理由を一言で説明できるようにしておく
- 幅を持たせた金額と、役割重視の一言をセットで準備しておく
こうした準備をしていた方は、面接本番で年収を聞かれても、動揺せずに落ち着いて答えられる傾向があります。逆に準備なしで臨んだ方ほど、その場の空気に流されて低めの金額を口にしてしまいがちです。
まとめ:金額は「幅」と「相場感」で伝える
面接で「希望年収は?」と聞かれたときにやるべきことは、実はシンプルです。金額を一点で答えず幅を持たせ、役割への関心も添えつつ、事前に相場感を調べておく。この三つを押さえておくだけで、面接での年収質問はかなり乗り切りやすくなります。
下げて答えても得をすることはほとんどないという前提を持っておくだけでも、面接本番での答え方は変わってきます。次に「希望年収は?」と聞かれる場面が来たら、ぜひこの記事の内容を思い出してみてください。



